こんにちは。着物部員のwakabaです。
実は私は浅草には縁がありまして、浅草寺のあたりに毎月何回か出かけています。そのため、浅草という町の変化をずっと見てきました。
特に、コロナ禍の後は日本人も外国の方も、着物を着て歩いている方が本当に増えました。レンタルショップで借りた着物を着て散策するのが、おしゃれ女子の浅草の楽しみ方の一つになっている、といっても過言ではないでしょう。
そこで、浅草を歩いている着物女子の皆様がどんな着方をしているのかを、ご紹介していきます。
2025冬からスタートします!
2025冬 レースの着物が人気
当然のことながら、浅草では、いろいろな着物を着ている方にお会いできます。
外国人の方で、金のキラキラが入った着物を着ている人もいれば、赤や黄色の派手な色の着物を着ている人もいます。好みは人ぞれぞれでいいと思いますが、その中で、よく見かけるのはレースの着物を着た人です。これは日本人が多いような気がしますが、外国人の方も着ています。近くにいくと中国語が聞えてくるからわかります。

私が初めてレースの着物を着た人を見たのは、コロナ禍が終わったころです。2022年ごろでしょうか。白いレースの着物を着ている人を見て、衝撃を受けました。「白の着物といえば……」という古い価値観があって、普段着るものではないような、そんなイメージがあったためです。
でも、その後も白いレースの着物を着る人は増え続け、今では私も見慣れました。白いレースの着物に合わせる帯締めがパールだったりして、小物にもおしゃれをしていますし、帯の結び方もふわふわな感じでかわいいので、「おしゃれさんだな」と思うようになっています。
ところがですね、今年(2025年)に入り、新たな動きがありました。真っ黒のレースの着物に、真っ白い帯をしている人が現われたのです。私はその姿を見て、再び衝撃を受けました。「真っ黒の着物に真っ白の帯ってあり?」と思い、そのときは、個性的な人向けなのかな、と思っていたのです。
しかし、2月になり、黒いレースの着物を着ている女性は確実に増えてきました。
しかも、ふと気付けば黒だけではありませんでした。よくよく見てみたら、ピンク、水色、薄い黄緑の人もいました。いろんな色のレースの着物が今、人気のようです。
彼女たちにとっては、レースのワンピースみたいな感覚なのかもしれませんね。
レースにプラスして、フリルがいっぱい!
最近よく見るのは、レースの着物にプラスして、フリルをいっぱいつけた人です。
これは前から見ないとわからないんですけど、伊達えりがフリフリ、帯揚げもフリフリ。お顔がフリルに囲まれていて、あま~い感じ。とってもラブリーです。
一人じゃないんですよ。フリフリが好きな人って、結構な人数いることがわかります。
帯は背中に「ふわふわ」をつけるのが人気
レースの着物が人気、という話を書きましたが、じゃあ、帯はどうなっているでしょう。帯のチョイスは、おそらくレンタルショップによって、値段によって、違うのだと思いますが、カジュアル着物によく見かけるものを3パターン挙げてみます。
・半幅帯で、後ろで結んでりぼんなどをつくったもの。
・半幅帯を結び、さらに胸と帯の間に、やわらかい布を巻いて後ろにふわふわをつくっているもの。
・兵児帯みたいのだけを巻いて、後ろにふわふわをつくるもの(冬でもいます)。
そんな感じの人が多い気がします。
背中にふわふわをつけて、後ろ姿にかわいさをプラスしているのでしょうね。
これらすべてに共通しているのは、お尻のあたりよりも、ウエストのあたりが細くなっている、ということです。
着物の雑誌などを見ますと、正式な着付けをした場合、ウエストはなくして、帯とおしりが同じ太さになっていますよね。
しかし、浅草で見る着物女子は、お尻よりもウエストの方が細くなっています。
「着物警察の人」がもしもこれを見たら、怒りだすかもしれませんが……、普段着の着物では、ウエストが細くなっているほうが、着る人にとって違和感がないような気がします。
見つけた! こんなに自由な着方
①観光に、袴を履いてもOK!
新たな発見としては、袴を履いて浅草寺を観光している人を、わずか2時間ぐらいの間に3人見たことです。
これまで、袴といえば、卒業式に履くものであり、普段は履くものじゃない、と思っていたのですが……。実際に、浅草でこれまで私は袴の人を見かけたことはなかったのです。
しかし、その考えを改めるときが来たようです。
袴を着たい人は、着たいときにいつでも着ればいいんですよね。
②草履じゃなくて、スニーカーもあり!
足袋&草履は、着物レンタル店のセットプランに入っているので、ほとんどの方は足袋&草履を履いています。
しかし、足元をよく見ると、おそらく1割ぐらいの人は、着物を着てスニーカーを履いていました。
見た目はちょっと……ですが、過去に草履を履いて痛い思いをしたとかで、歩きやすさを優先しているのでしょう。
観光に来て、足が痛くなったら最悪ですからね。
草履は、「足が痛いのを我慢してまで履くものじゃない」ということです。
確かに、普段スニーカーを履いて大股でスピーディーに歩いている人にとって、草履でちょこちょこ歩くのはストレスでしょう……。なんだか不自由な気がしてしまうんですよね。ちゃんとした儀式では草履を履いたほうがいいに決まっていますが、観光地では、草履を履きたくない人は履かなくてよいと発想の転換をすれば、もっと自由に着物を楽しめますね。
着物レンタル店が急増!
いつもは慌ただしく歩いてますが、浅草寺の周辺をゆっくりと歩いてみたら、着物レンタル店がものすごく増えたことに気付きました。以前は、ぽつんぽつんとある程度でしたが、今はすべての通りにあるんじゃないかと思います。
しかも、以前は人がたくさん通る道ぞいで、どこも1階にあったのが、今は大きな通りからそれた横道みたいな、あまり人目につかない場所にあったり、2階にあったりします。飛び込みのお客よりも、ネットで予約してくる人が多いから、店舗の場所はあまり関係ない、ということでしょうか。あるいは、A本店は混んでいますが、支店のB店ならば対応できます、という具合に誘導するのでしょうか。
こんなにお店が増えちゃうと競争が激しくなって、商売として大丈夫なのかなと、ちょっと心配になりますが、国内外の観光客がまだ増えると判断してのことなのでしょうね。
それにしても着物のレンタルは、とてもいいシステムだと思います。
自分で着物を着ようとしたとき、大変なのは着る前の準備、着た後の後片付けだと思うのです。1ルームの部屋に住んでいる人の場合、部屋の中に着物を吊るしておくスペースなんてないですからね。
その点、レンタルならば、その面倒くささがなくなるわけです。それならばコスプレ感覚で(?)着物を着てもいいかな、と思う方が増えているのでしょう。
さらに、レンタルですからそのときの気分で、色や柄の着物を選ぶことができます。買うわけじゃないから、チャレンジできますよね。セットプランにはヘアアレンジも入っていますから、写真を撮ったときの満足度が高くなります(これは大事でしょう!)。
浅草のように着物が似合う場所に来たときは、「着物でも着てみるか」と、そんなふうに気軽にチャレンジする人がもっと増えると、「着物を着た人」を見るのが好きな私としてはうれしい限りです。